【高木渉】
高木 渉(たかぎ わたる、1966年7月25日 - )は、日本の男性声優・舞台俳優。アーツビジョン所属。千葉県出身。
代表作に『フルハウス』(スティーヴン・ヘイル)、『名探偵コナン』(小嶋元太、高木刑事)、『GTO』(鬼塚英吉)、『ゲゲゲの鬼太郎(第5作)』(ねずみ男)などがある。
【特色】
アニメ・吹き替えで幅広く活動しており、小1の少年から老人、人間以外の役まで幅広くこなす。
デビュー当初は二枚目・二枚目半の声を演じることが多かったが、『ルーニー・テューンズ』のダフィー・ダックや『GTO』の鬼塚英吉以降、三枚目の役柄を演じることが増えた。また、不良青年や暴力的な悪役を担当する機会も多い。
【出演作関係】
『機動新世紀ガンダムX』の主人公ガロード・ラン役に抜擢されたが、元々高木はウィッツ・スー役のオーディションを受けており、「まさか主人公になるとは思わなかった」という。作品の終了の際酒の席で涙していたと、堀内賢雄とかないみかのラジオにおいて語られていた。なお、『新機動戦記ガンダムW』の張五飛役になりかけていたという。企画書には「高木渉」に二重線が引かれ、石野竜三に書き換えられている。
『名探偵コナン』の高木刑事役は当初「名無しの刑事」扱いであったが、目暮警部の「君、名前は?」という問いかけに対して咄嗟に「高木です」と自分の名前をアドリブで言ったところ、それが本採用になったとラジオで公開していた。後にそれが原作にまで波及し、その影響で高木の出番が増え重要なサブキャラクターとなっている。
【職場での姿勢】
隙さえあればすかさずアドリブを入れることで業界で定着しつつあり、それを求めたうえでの起用もある。しかし以前はそんなことはなく、自他共に「真面目」と見られる姿勢で仕事に向かっていた。しかし、アドリブ自体も決してふざけてやっているわけではなく、『ビーストウォーズ』シリーズにおいてディレクターよりアドリブに対する高い意識を求められ、非常に緊張した経験から、自分自身が面白くないと思ったことは絶対に言わないことにしている。また、アドリブを行うのは現場の空気を和ませるためであり、かつ流れを保つためであるとのこと。『Yes! プリキュア5』のブンビー役では、構成の成田良美もこのアドリブの影響からブンビーの生存に繋がったと語っている。草尾毅から「3分の2はアドリブ」などと言われるほどであり、実際台本は彼のだけよく書き換えられている。また、シリアスなエピソードになると「今日はふざけられない」と入野自由らに冗談めかして漏らすという。共演している千葉繁や山像かおりも、キャラクター的に崩せない故に、より彼のアドリブを見ていて自分もやりたくなると語っている。
また声優業界では新人時代に「遅刻魔」の愛称で知られていた。実際に遅刻したのはほんの数回だが、そのうちの1回は、アフレコの開始時間が午前10時なのに高木は11時に起床したが、一瞬慌てるも、あえて急いでスタジオに行こうとせず、「どうせ遅刻なのだから」と逆に開き直ってあせらず落ち着く意味で自宅で朝のコーヒーを飲み、シャワーを浴びてから行ったという話がある。また、アニメ『天使な小生意気』で台本の読み合わせに遅刻した高木は、何事もなかったかのように、共演者の林原めぐみから最も遠い席に座って誤魔化そうとしたが、林原は無言で自分の隣の空いている席を蹴って「渉、ここ座りな(姉貴調・林原談)」と圧力を掛けた。結局、高木は怯えながら林原の隣に座ったというエピソードがある。この時が最後の遅刻だと言われる。『ビーストウォーズリターンズ』では自分が「遅刻魔」であることを逆に笑い話の種にしていた。
舞台活動に対して特に熱心であり、日頃周囲に愛嬌を見せている高木が真剣に舞台活動に関して語った姿を見た入野が、感嘆の声をあげている。
【プライベート】
日焼けサロンに凝っており、先輩声優の小野坂昌也は「『ツヨシ』の頃から通っている」と語っている。共演者に焼きすぎていると言われ、本人も真っ赤になって「焼きすぎました」と言うことがある。その入れ込みように、小野坂は(高木本人の目の前ではないが)大いに疑問を語り、「あの年になって『焼きすぎました』なんて言う人間初めて見た」と語っている。他、コメント等では焼けた肌を披露している。
結婚式の際、妻と一緒にカットしたのはウエディングケーキではなく、自身が演じる小嶋元太の顔の形をしたおにぎりだったという。掛け声も「おにぎり入刀」だった。